エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う

8月6日は広島原爆投下の日、9日は長崎原爆投下の日です。

原爆の悲劇を二度と繰り返さないための「平和」について考え、決断する日でもあります。

今年は、福島第一原発の放射能事故があったため、菅首相の「脱原発発言」を皮切りに、

「脱原発か否か」の議論が相変わらず繰り返されています。

本書、『エネルギー論争の盲点』は、「原発か再生可能エネルギーか」という不毛な論争ではなく、「エネルギーの盲点になっている天然ガスと分散化」が日本を救うというものです。

エネルギーの歴史から入り、各国のエネルギー事情を論じ、各エネルギーについて分かりやすく論じています。

一つのエネルギーに偏っていないので、バランスがいいのがポイントです。

そして、エネルギー論争の盲点になっているガス発電については、詳しく書かれているので、

読了すると、エネルギーに対するバランスのいい知識を身につけることができます。

孫正義×堀義人の原発トコトン議論」(起こし)がよりリアルで面白いものになることでしょう。

本書に出てくる天然ガス・コンバインドサイクルシステムにも孫正義氏は言及するようになり、

かなり現実的な議論をしていたという印象を持ちました。

孫正義氏は「脱原発論」から「原発ミニマム論」に変わっていたのも、印象的でした。

筆者によると、日本の天然ガス発電は、原発の開発の陰に隠れてあまり進んでいないので、

「コストパフォーマンス」、「安全性」、「安全保障」を考えると、天然ガスに注目するべきと言います。

近年では、シェールガスがアメリカを始めとして世界各国で発見され、よりガスへの注目は高まっています。

(一部転載)

再生可能エネルギーは、推進派が言うほど有望なわけでは全くない。

たとえば、石炭は世界中で炭鉱事故による何千人もの死者を毎年出しているし、風力発電所は近隣に低周波騒音をまき散らして近隣住民の健康を脅かし、自然景観を壊し、渡し鳥等の生涯になっている。

人口周密地域や海岸沿いの国立公園などでの立地は限られ、洋上に設置すれば、コストがさらに上昇するだけではなく、台風や津波などで大被害を出す可能性は高い。

実質コストが非常高い再生可能エネルギーを過剰に導入すれば、間違いなくエネルギー価格は高騰して日本経済、特に製造業は大打撃を受け、ただでさえ多い失業者や年間三万人もいる自殺者の数はうなぎ上りになるだろう

さらに、

反原発派はしばしば、社会的弱者救済を主張するグループと重視するが、大都市圏の電力供給を支える原発の多くは過疎地にあり、電力会社の下請け、孫請けを含め大勢の従事者が原発産業関連で生計を立てている。

反原発派の人達には、原発産業に代わる雇用創出のプランはあるのだろうか。

それとも、彼らが職を失うのは、自業自得だとでも思っているのだろうか

(転載終わり)

そして筆者は、エネルギー安全保障のポイントは「一にも二にも多様化、分散化」だと言います。

エネルギーの多様化と地域分散ということです。

著者の最後の言葉が印象的なので紹介します。

(転載始め)

試合に勝つためには、これまで二番、三番を打っていた天然ガスが四番に変わり、長打が打てずに調子の波が大きいので八番、九番だった風力発電・太陽光発電などを、一番、二番に繰り上げていくしかない

三番、五番は、疲れと怪我で衰えたとはいえ、未だ侮れない長距離ヒッターの石油と原子力が打つしかないだろう

原発・石油はなんだかんだいってもクリンナップ。

太陽光・風力はよくても一番、二番のヒッターとして少し比率を上げる、

全体のバランスを考えると天然ガスに再度注目するということでしょう。

世間一般的に議論されることの多い、「脱原発で即再生エネルギーへ」という極端な論調には私も反対です。

(ブログへも、「即原発はやめるべき」という意見をいただきます)

菅首相や朝日新聞を筆頭とするマスコミは、原発の議論を「放射能の恐怖」でしか見ていないと思います。

極端で、バランスを欠いた見方だと感じます。

日本だけが54基ある原子炉が、来年の春にはすべて停止しようとしています。

世界最速の驚異的な「脱原発」のスピートです。

復興はなかなか進まないのに、「脱原発」のような、日本を破壊する方向のものに関しては、

すごいスピードです。

菅首相の無知と無策によって日本を振り回しているとしか言いようがありません。

脱原発派は、「安全」を盾にとって「原発は危険」と言い、ヒステリックになりすぎているように見えます。

「即、原発を廃止しろ」という極端な意見は、「安全」という優しい顔をした「日本破壊論」です。

「放射能の安全」、「エネルギーの安全保障」、「日本の経済力」をよく見極めて議論を進め、

エネルギーのベストミックスを目指すことが、政治家として検討し、決断し、進めなければなりません。

原発は維持しながら、バランスの取れたエネルギー議論を進めることこそが、政治家の責任です。

幸福実現党 小島一郎

コメント “エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う”

  1. 銀嶺

    二酸化炭素を最も吸収するのは海洋で、海洋の温度を上昇させ、二酸化炭素吸収能を損なわせるのが原発ということを議論する人が全くいない。熱を持った車のブレーキが制動力を失うのと同じだ。無知な人間がクリーンエネルギーなんて言ってしまっている。

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