「北方四島を日本へ返そう」(ロシア大衆紙)

ラブロフロシア外相

ロシアのメディア「モスコフスキー コムソモーレツ」は18日、

コラムの中でロシアは北方四島を日本に渡さなければならないという記事を紹介しました。

【「北方四島を日本へ返そう」 ロシア大衆紙が異例】2011年3月19日

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011031990111510.html

です。以下、紹介ます。

(転載始め)
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 【モスクワ=酒井和人】ロシア大衆紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」は18日、東日本大震災を受け、人道的見地から「北方四島を日本へ引き渡さなければならない」とするコラムを掲載した。

北方領土問題でロシアメディアが日本への返還を主張するのは極めて異例。

執筆したのはロシアジャーナリスト連盟の「黄金のペン」賞を受賞したこともある著名女性記者のユリヤ・カリニナ氏。日本の領土返還要求の主張は認めていないが、日本の悲しみをやわらげるため「今すぐ無条件で渡そう」と提案。

福島第1原発の事故で人が住めない土地が増え「日本の小さな領土がさらに小さくなる」などとしたうえ、「(ロシアが)わずかな国土を慈善目的で寄付することは不可能だろうか」と訴えた。

返還により、ロシアは奪い合いではない新時代の外交をアピールできるとメリットも説いている。

日ロ関係は北方領土問題をめぐり冷却化していたが、大震災の発生後はロシアの日本に対するけん制は影を潜めている。
(中日新聞)

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(転載終わり)

これは、「現在日本が大地震により被災しており、悲しみに暮れている、したがって、

悲しみを和らげるために無条件で引き渡そう」というもの。

上記の記事以外にも、

「ロシアは広大な領土を持っておりロシア側からすれば、

北方四島は全体の0,035%程度」という具体的数字も紹介。

一方、このコラム上では、日本の領土返還要求は認めていないことも注意が必要。

日本でも、多数ツイートされ、話題になっているようですので、

ここでロシア外交の論点を整理したいと思います。

この記事のように、

ロシアの民間レベルで、「北方領土を何とかしてあげたい」と言う『声』が

出てきたと言うことは、

今後のロシア外交における、経済交流を進めていく上ではやりやすくなったといえるでしょう。

ただ、ロシア外交においては冷静な目が必要です。

ロシアのラブロフ外相は2月15日、日本との平和条約交渉について、

「日本が第2次大戦の結果を認める以外に道はない」と述べ、

交渉を前進させるには、

『第2次大戦の結果として北方領土がロシアの領土になったと承認することが必要』

との考えを、ロンドンで開かれたロシア経済に関する会議で表明しています。

ロシア外相が既に日本にとって厳しい声明を発表してしまっている以上、

現段階で、北方領土問題に対するロシアの正式な方針が変わることはありません。

更に、外交が前進するためには、日本からロシアに対して何か、

経済利益(援助、支援等)などを与えていることが前提になります。

しかし、今の日本は、東日本関東大震災でロシアから一方的に援助を受けている

状況にあります。

つまり、「北方領土におけるロシアの方針は変わっていない」

と、考えるのが現実的な見解といえます。

一方では、【ロシア、日本と領土問題協議を行なう用意を表明】(Iran Japanese Radio)2011年 3月 16日(水曜日) 17:18

http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=17113:2011-03-16-13-50-46&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116

では、以下のような記事が紹介されています。

(転載始め)
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ロシアのラブロフ外務大臣が、「ロシアは、領土問題を解決し、平和条約を締結するため、日本と協議を行なう用意がある」と語りました。

専門家は、「この発言は、現状において、日本とロシアの関係改善を促すものになる」と見ています。

ファールス通信によりますと、ラブロフ大臣は、15日火曜、NHKのインタビューで、「ロシアと日本の領土問題については、我々は平和条約の締結に関する協議を継続する用意があり、この問題に対して強い関心を持っていると言わなければならない」と述べました。

ラブロフ大臣は、14日月曜、自ら、在ロシア日本大使館を訪れ、地震と津波の犠牲者に哀悼の意を表しました。

ロシアは、日本の地震被災地に、いち早く救助隊を送っています。

専門家によれば、現在の危機的な状況の中で、日本政府がロシアの支援を受け入れたことは、今後、両国の関係改善を大きく促すものになるだろうということです。

ロシア外務省の関係者は、「日本での災害が、ロシアと日本の緊密化、両国の領土問題の解決を助けるものとなるよう期待している。アメリカ同時多発テロ事件の際には、ロシアとアメリカの関係が改善され、ポーランド元大統領が乗った飛行機が墜落した際には、ロシアとポーランドの関係が改善した」と述べています。

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(転載終わり)

今、日本は東日本関東大震災の復興に特化せざるを得ない状況ですが、

ロシアとの外交においては、

今回の震災を機に、北方領土返還に向け、

経済交流も含めた、WIN-WINの外交関係を築いていく必要があります。

小島 一郎

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