2011年を予言するリアル小説。村上龍『半島を出よ』を読んで。

先日、野田一夫先生を訪ねた時に紹介いただきました、

村上龍『半島を出よ』(上・下)を読んでみました。

2005年にヒットした小説なので、「いまさら…」と思う方も多いかもしれません。

読んでみて、2011年の今こそ、読む意味があると思いました。

上巻は膨大なデータをもとに描写されたリアルさ。

下巻は日本救出に向けたエンターテイメントとして面白い。

(以下は主なあらすじ)

舞台は2011年。

消費税は17.5%等の増税、日本は経済・財政が破綻し失業者が急増、

さらに外交にも失敗し国際社会で孤立。

アメリカはそれまでの日米同盟最重視路線から、

アジア諸国(主に中国)との等距離外交に舵を切り、

地域内での新たな安全保障体制を築かせようとしました。

日本はその意図を、アメリカが日本を切り捨て中国に接近したものと

読み違えます。

日本国内は右から左まで嫌米ムードに包まれていました。

日本は核武装論に包まれ、国際社会から孤立していきます。

なお、この時の政権党は、政権再編により民主党と自民党の

若手及び改革派が結集した「日本緑の党」。

〔5年前に書かれたと思えないリアルさがあります〕

一方、北朝鮮・金正日体制はアメリカとの友好路線を取っていました。

朝鮮労働党内の保守反米派が反乱することを恐れた朝鮮労働党主流派は、

日本を侵略し、そこへ保守反米派を送り込もうと目論みます。

作戦のコードネームは、「半島を出よ」。

作戦第1段階(phase 1)。

ハン・スンジン率いる北朝鮮の特殊戦部隊員9名が、

民間人に紛れて漁船「愛宕山城丸」で福岡に侵入し、

プロ野球の試合が行われている福岡ドームを制圧する。

日本政府に対し福岡上空の航空警戒を解除することを要求します。

この時特殊部隊員たちは、自分たちの身分を「北朝鮮の反乱勢力」と宣言。

これに対し日本政府はすぐさま安全保障会議を招集するが、

選挙前で首相や内閣官房長官をはじめとした閣僚はほとんど地元に帰っていて、

内閣官房副長官・山際清孝が主となって対応を検討することに。

しかし何ら有効な策を打てないまま時は過ぎていく。

やがて首相や閣僚たちが到着するが、依然として対策を取れないまま

時間だけが過ぎていく。

作戦第2段階(phase 2)。

北朝鮮の兵士を乗せた旧式の複葉機(アントノフ2型輸送機)が

大挙して福岡に向かってきます。

自衛隊の能力を持ってすれば容易に撃墜可能であるにも関わらず、

政府は福岡ドームの人質の人命を犠牲にする選択が取れず、

大量の北朝鮮兵士が上陸することをみすみす許してしまいます。

北朝鮮の兵士たちはシーホークホテルに本部を、

福岡ドームと国立病院機構九州医療センターに挟まれた広場を野営地として接収。

「高麗(こりょ)遠征軍」を名乗ります。

日本政府は国連や、アメリカをはじめとする諸外国に援助を求めるが、

「国家による侵略は行われていない。高麗遠征軍は武装しているものの難民である」

といった理由で拒絶されます。

北朝鮮テロが東京に向かったという偽情報に踊らされて日本政府は

福岡を封鎖。福岡は孤立する。

そして、福岡市長は脅しに屈して

「福岡市の独立宣言」

をさせられる―。

以上が、福岡を北朝鮮軍に占領されるあらすじです。

それをいかにして解決し、日本を救っていくのかは、

ぜひお読みいただきたいと思います。

これは、舞台は福岡ですが、

沖縄に置き換えて、中国漁船による占拠と考えれば、

いつ起きるともしれない物語と言えます。

危機管理能力が低い政府。

テロに対する無策。

外交の弱さ。

財政破綻―。

今の日本政府だったら何もできない現実を見事に描いていて、

リアルに描かれているので背筋の寒くなる思いです。

昨年9月の尖閣諸島沖での中国漁船による

海上保安庁巡視船への衝突でも、

初動の遅れ、

菅首相が訪米している間に地方検察に責任を丸投げするなど、

現政権における危機管理能力、危機管理意識の低さは

目を見張るものがあります。

自衛隊がしっかりしていても、

自衛隊の最高責任者である総理大臣の危機意識が

すべてを決めます。

日本の周辺諸国の軍事的緊張は、中国・北朝鮮を始めとして

高まるばかりです。

戦略的な国防の強化が求められます。

小島一郎

東京16区の支援者の皆さんと地域戸別訪問をしました!寒かったけど、心温かぁ。江戸川区議チャレンジャーほそい信之氏も一緒でした!7人の会員も誕生。

コメント “2011年を予言するリアル小説。村上龍『半島を出よ』を読んで。”

  1. Tweets that mention 2011年を予言するリアル小説。村上龍『半島を出よ』を読んで。 | 小島一郎 official web site 幸福実現党 -- Topsy.com

    […] This post was mentioned on Twitter by 群れなす青, 群れなす青, 幸福実現党小島一郎, KIHIRU, 幸福実現党小島一郎 and others. 幸福実現党小島一郎 said: おはようございます。ブログを更新しました。先日、野田一夫先生に紹介いただいた小説『半島を出よ』についてです。 【2011年を予言するリアル小説。村上龍『半島を出よ』を読んで。】 http://t.co/2ENzGBR via @kojimaichiro […]

    返信

コメントをどうぞ