福島レベル7 「最悪」評価はおかしい。福島はチェルノブイリとは全く違う

昨日、福島第一原発事故が「レベル5」から「レベル7」に引き上げられました。

「いったい何が起きているのか!」と不安に感じている方は、

NHK「かぶん」ブログ 水野解説委員の「最悪の評価”レベル7″とは?」

は、大変分かりやすい解説でした。

海外も含めたマスコミによって、この「レベル7」問題がたくさん報道されていますが、

いくつか確認させていただきたいと思います。

福島第一原発事故は今のところ、チェルノブイリ事故よりは下と評価されています。

というのも、チェルノブイリ事故では炉心が爆発しています。

大量の放射性物質が世界中にまき散らされまして、

発表では30人ほどが死亡したほか、

周辺のこどもの甲状腺がんが増えるなど大きな影響が出ました。

いまだに立ち入りが制限されている区域があります。

それに比べて今回は爆発は起きたが壊れたのは主に原子炉建屋です。

放出された放射性物質の量もチェルノブイリの10分の1と評価されているので、

事故の規模だけで言えばチェルノブイリよりは下です。

レベル7ということで、チェルノブイリ事故のようなことが今後起きるのではないか?

と心配する方もいると思いますが、

このレベル7というのは、あくまで現状を評価しているわけで、

将来こういうことが起きる、という評価ではありません。

チェルノブイリのようなことが現在起きているわけでありません。

今後について必要以上に心配するような状況ではありません。

事故の内容も被害もチェルノブイリとは異なるにも関わらず、

チェルノブイリと同列のレベルにいきなり上げることには疑問と憤りを感じます。

菅政府はレベル7への引き上げによる社会的なマイナス影響を全く考えていないのではないか

と感じるからです。

政府は、日本国民と世界中の人々に、「まだ何かあるのでは?」

という疑問、疑い、恐怖を与えてしまいました。

今朝の産経新聞では、

福島レベル7 「最悪」評価はおかしい チェルノブイリとは全く違う

という記事が「主張」で掲載されました。

私も全く同感で、同じ憤りを感じているため、転載したいと思います。

(転載始め)
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 福島第1原子力発電所の事故に対する国際評価尺度(INES)が、急遽(きゅうきょ)「深刻な事故」とされる「レベル7」に引き上げられた。経済産業省の原子力安全・保安院が、内閣府の原子力安全委員会の見解などを踏まえて発表した。暫定評価とはいえ、レベル7の意味は非常に重い。

 INESの基準で最も重いレベルに相当するだけでなく、25年前に起きた史上最悪のチェルノブイリ原発事故とも並ぶからだ。日本政府の発表によって、世界の抱く福島事故の印象は、チェルノブイリ事故と完全に二重写しになって焼き付いてしまう。

≪保安院の発表には矛盾≫

 菅直人政権は、レベル7評価の及ぼす影響を理解していないのではないか。事故の実態を国際社会に正しく伝え、誤解を是正していく活動に直ちに取りかからなければならない。

 保安院の発表には矛盾がある。福島事故で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリの10分の1に過ぎないと認めているではないか。レベル7の根拠は、2号機が爆発した3月15日ごろの数時間、最大で毎時1万テラベクレル(テラは1兆)の能力を持つ放射性物質が外部に放出されていたと報告されたことである。しかし、今はその1万分の1に減っている。

 経済産業省が事故後1週間で示した暫定評価は「レベル5」であった。それが今の時点で、いきなり7に引き上げられると、誰しも事態の急な悪化を想像してしまう。あるいは、何か深刻な状況を隠しているのではないかと疑心暗鬼にかられかねない。

一時的にレベル7の適合要件を満たしていたからといって、それだけで結論を下すのはいかがなものか。評価を引き上げ、発表を急がないと事故が拡大するという局面だろうか。だが、そういう要素は何一つない。唐突感と驚きを振りまいただけである。

 福島事故とチェルノブイリ事故は重大度が全く違う。チェルノブイリ4号炉は、運転中に暴走して大爆発を起こし、炉心ごと吹き飛んだ。だから外部にばらまかれた放射能の量も汚染面積も比べものにならない。

 福島事故では放射線被曝(ひばく)による死者が皆無であるのに対し、チェルノブイリでは約30人の発電所員らが死亡している。

 福島では、4基の原発から放射性物質が漏れたのに加え、収束に日数を要しているものの最悪の方向には進んでいない。

 国際関係では、東京などに拠点を置く海外企業の日本脱出に拍車がかかる可能性がある。外国からの観光客も日本を避ける。日本からの輸出産品への規制がさらに強まる恐れもある。

 環境問題の打開のため、原発活用に舵を切ろうとしていた諸外国のエネルギー政策に及ぼす影響も一段と深刻なものになる。

 1979年のスリーマイル島事故以来、凍結されていた国内原発の建設再開に着手していたオバマ米政権は、計画の見直しを余儀なくされかねない。

 菅政権は、レベル7への引き上げに際し、世界に波及していく負の衝撃波を検討したのか。国際感覚が問われよう。

国内へのレベル7ショックも甚大だ。相次ぐ大きな余震だけでも国民の平常心は揺らいでいる。そこに原発事故の深刻化を誤解させかねない発表が追い打ちをかけることになった。

 東電以外の他電力の原発も運転継続が難しくなりつつある。首都圏や東北では、今夏に予想される電力不足の深刻化が心配だ。

 大量の放射性物質を飛散させたチェルノブイリ事故でも、白血病の増加は確認されていない。政府はその科学的事実の周知に力を注ぐべきである。チェルノブイリでの最も深刻な後遺症は、被災者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)である。

 日本でもその予防に努めるべきときに、不安を肥大させるだけのレベル引き上げは、不用意の一言に尽きよう。原発周辺住民の退避問題についても、非常時における対外発表手法の改善が望まれる。今回の福島原発事故は、人災と天災の境界線上に位置するものである。日本の原子力発電の安全性回復に向けた努力を丁寧に世界に伝達していきたい。

 事故レベルの確定は、その後でもよかったはずである。

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(転載終わり)

さらに、ロシアの専門家も、今回の政府の対応について、

ロシア専門家は、引き上げに「行き過ぎ」「レベル4にも届かない」批判

と批判。

(転載始め)
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 日本政府が12日、福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度で旧ソ連のチェルノブイリ原発事故並みの「レベル7」に引き上げたことに対し、ロシアの専門家らからは「行き過ぎ」などと疑問の声が上がった。タス通信が伝えた。

 国営原子力企業ロスアトムのノビコフ報道官は「当初の評価(レベル4)は低すぎたが、今度は振り子が逆に振れ、高すぎる」と指摘。事故発生時に深刻な健康被害が出ていないことなどを理由に、レベル5より高くはないとした上で、レベル評価を含む政府の対応をこれ以上非難されないための政治的判断との考えを示した。

 ロシア科学アカデミー原子力エネルギー安全発展問題研究所のアルチュニャン副所長は、福島の事故で住民が浴びている放射線量は、日常生活で自然環境から受ける量の10分の1程度であり「健康への影響から判断すればレベル4にも届かない」と述べた。

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(転載終わり)

「レベル7」という発表が過剰反応をまねいて

「他の原発も止めろ」といったヒステリックな話にならないことを祈ります。

パニックに陥ることなく、日本再建に向けた前向きな努力が必要です。

追記:INESの基準では、レベル7の定義は

“An event resulting in an environmental release corresponding to a quantity of radioactivity radiologically equivalent to a release to the atmosphere of more than several tens of thousands of terabecquerels of 131I”

としか書いていません。

これだと福島もチェルノブイリも同じになりますが、

人的・経済的被害を勘案しないで放射能だけで決める基準にも問題があります。

小島一郎

埼玉県幸手後援会の皆さんと、権現堂の桜の前で。真ん中で座っているのは、埼玉14区谷井みほ支部長。
幸手市権現堂の菜の花畑前で。幸手の皆さんが幸福になりますように。

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