中国に自由の平和を。北京レポート(その4)

昨日に引き続き、北京レポートを紹介したい。

中国という国ほど支配されることに従順な国民も珍しい。

基本的には国は人民に無関心であり、人民も国に無関心だ。

それは、おおよそ、現在の政府が成立するまで2000年以上にわたり

歴代王朝によって引き継がれてきた「郡県制」という政治制度に

一因があるといっていいかもしれない。

江戸時代までの日本は、将軍をはじめとする権力者が大名に領土を与え、

領内の政治を行わせていた「封建体制」である。

「いざ鎌倉」のように主従関係ははっきりしているものの、

基本的に土地との結びつきが強く、領内を富ませ、

人々の幸福を守るのが領主たる者の役割として統治されてきた。

しかし、中国では、この逆だ。

「郡県制」では皇帝の側近たちを高級官僚として

長官や県令として地方に派遣し、支配させる。

しかも、これらの支配者は人々から徹底的に搾取をおこない、

優雅な生活を送っている。

よって、当然、多くの人も官僚や役人になりたがったし、

少しでも恩恵に浴そうと賄賂も横行することになった。

こうした政治はやがて人々の不満を生み出し各地で反乱が起こるが、

基本的には王朝が変わろうとも、この支配体制だけは守られてきた。

搾取する特権階級が交代するだけの話だ。

共産党の一党独裁体制もこの政治体制となんら変わりはない

(最近、日本人の受刑者に死刑が執行されたが、過去、支配者が

もっと残酷なことをしてきた中国では特別変わったことではないのかもしれない)。

搾取する側とされる側。

少なくとも、こうした構図は日本と徹底的に違う。

「お上頼みの日本と、お上を無視する中国」といった感じだろう。

日本では領主と領民は運命共同体のようなものだったし、

天皇陛下は、愛や徳をもって国を治めることを当然とした風土を持っている。

しかし、中国は全く逆だ。お上は味方ではないから。

人権という発想からも程遠い。

だからこそ、人々は血縁を大事にし、一族で団結して身を守り、

自分たちだけで生き延びる道を考える。

大部分の人にとってはお上が何をやっていようと基本的に無関心だ。

現在の中国をみればまさにその通りに思える。

各地で官僚を腐敗が目立ち、農村を中心に人々の不満が高まっているが、

政治には関心がない。

自分たちの生活が第一だ。

一般の人々は2000年以上も搾取し続けられたわけだから、

中国共産党が特別悪いとも思えないというのが実際のところかもしれない。

しかも、法治国家でない中国では、抜け道がいくらでもあるので、

うまくやれば自分たちの生活にはさほどの影響はないとみている向きもある。

中国という国は、いい加減に例外を認めながら

強制的にまとめる「技」をもつ国なのだと思う。

数千年間も独裁型の統治が続いてきた国、中国。

この国を民主主義、自由主義に目覚めさせるのは大変なことだ。

ノーベル平和賞などにより、中国の情報統制は厳しくなっているか、

世界中の情報は、携帯などを通じて中国には入っている。

中国人の本当の自由と平和が実現することを祈念したい。

小島一郎

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